BPOの現場から本社と現場の連携が実現する
「安全安心な BPOサービス」

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管理本部 品質監理部 部長

隈田原 盛税

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管理本部 品質監理部

奥山 敦史

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管理本部 品質監理部

陶山 佳奈子

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幕張BPOセンター

志賀 堂央

品質監理部

BPOサービスの品質を高める3つのマネジメントシステム

品質監理部 部長 隈田原 盛税の写真品質監理部 部長 隈田原 盛税

品質監理部 隈田原部長:当社では3つのマネジメントシステムの適用を通じて、BPOサービスの品質を向上させています。

人を介して情報のやりとりが発生すれば、そこにはコンプライアンス上のリスクが起こる可能性が生まれます。
我々が提供するBPOサービスは、サービスを提供するロケーションも多様で、取り扱う情報も多いため、情報を取り扱うあらゆる場面で「セキュリティは品質である」と考え、全社的な取り組みを展開しています。

個人情報の取扱いについては、プライバシーマークの認証を2003年に取得して既に10回以上更新を継続しています。
ISO関連では、ISMS(ISO27001情報セキュリティマネジメントシステム)をキヤノンマーケティングジャパングループの統合認証で取得しており、QMS(ISO9001品質マネジメントシステム)については自社でPDCAサイクルをまわすという自主運用形式による運用を継続しています。

こうした認証規格の要求事項では、仕組みやドキュメントなどを整備する必要がある一方で、取り組みとしては似通った部分もあるため、3種別々に運用するのは非効率です。
私たち品質監理部では、3つのマネジメントシステムを一体的に運用するために、品質保証委員会を設置して活動をとりまとめ、本社と現場が連携してコンプライアンスを強化しています。

品質監理部の視点で見たBPOサービスの品質というのは、ISMSで標榜している情報の適切な取り扱いや、作業品質を担保する仕組みなど様々なポイントがあり、一言では言い表せないのですが、根底にあるのは全社的にコンプライアンスが徹底されて、一人一人が適切な行動がとれることです。
コンプライアンンスの徹底には「意識」「知識」「組織」の3つの「シキ」が大事と考えます。まず個人がコンプライアンスの重要性について意識を持ち、次に事の善悪を判断できる知識を持ち、そのうえで組織として行動する。また組織レベルでルールを定め、個人が知識として理解し、高い意識を持って行動する。サービス提供のベースとして、組織と個人双方のレベルでコンプライアンスがしっかりしていること。人で動く仕事なので、そこが大切です。

「対話で現場力が高まる」品質保証委員会とコンプライアンスミーティング

品質監理部 奥山 敦史の写真品質監理部 奥山 敦史

品質監理部 奥山:マネジメントシステムは、期初に計画を策定して、実行、評価という流れで年間を通じてPDCAをまわしていくのですが、品質監理部は事務局となり四半期毎に品質保証委員会を開催しています。委員会では、マネジメントシステムのPDCA振り返り、インシデント状況、CS調査の結果共有などをアジェンダとして取り扱っています。
大事な伝達事項は書面だけでなく、適切に主旨が伝わるようにミーティングを通じて言葉でも伝えています。現場の皆さんが理解しやすく、取り組みがしやすくなるように、事務的な案内にならないよう心掛けていますね。

また、コンプライアンス推進施策として、コンプライアンスミーティングを開催しています。毎年全社でテーマを決めて、テーマに沿って現場と管理者が対話してコンプライアンスの理解を深める貴重な機会となっています。
世間では、営業秘密の持ち出しなど、不正競争防止法に纏わるニュースが問題になっていましたよね。我々は自社内の情報もそうですが、何よりお客様の大事な情報を扱っていますから、当然ながら無縁な話ではありません。情報の適切な取り扱いを徹底するために、昨年まで2年続けて「機密情報管理」をテーマに落とし込みを徹底しました。
今年のテーマは「採用に関するコンプライアンス」「個人情報保護」の2点です。BPOサービスは人材が基礎になっているため、あらためてテーマとして選定しました。

現場は「もっとこうした方が良いのではないか」という提案も出してくれますし、現場と本社は共に良くしていく仲間という意識でやっています。本社にいると、お客様先に常駐している方と接する機会も少ないのですが、こうした活動を通じて距離感も近くなり意見交換が進むことがあります。そういったコミュニケーションは次の施策の企画のヒントにもなっていますし、各本部が得た気づきは全社的に活用して、次年度に活かしています。

独自チェックシートを起点としたQMS活動が課題解決を推進

品質監理部 陶山 佳奈子の写真品質監理部 陶山 佳奈子

品質監理部 陶山:お客様からの「品質のキヤノン」の期待に応えるために、QMS活動を実施しています。
当社のQMSは、プロジェクトマネジメントのフレームワークであるPMBOKを参考に設計した「独自チェックシート」によるプロジェクト単位の年次セルフチェックと、その結果の集計分析・共有、内部監査という一連の活動を指します。

チェックシートは回答内容により設問が可変するタイプのもので、商流、再委託先有無などの基本情報系、労務管理、社内外コミュニケーションなどの人材系、計画書や手順書等のドキュメント系など幾つかの異なる要素で構成されています。
日々の業務に直接的に関係する手順書などは実際に作成したものを提出してもらい、ブラッシュアップの有無など証跡の確認も実施しており、セルフチェックの結果は、その後の内部監査に繋がっていきます。
例えばドキュメント類のブラッシュアップについて、部分的な抜け漏れなどの不備を発見した場合は、抜け漏れの発生原因を特定したり、改善方法を一緒に考えたりといった、皆さんの課題解決をフォローするアクションをとっています。
プロジェクト個々ではなく、プロジェクトマネージャーをどのように充足するのか、教育体制をどのように改善していくのかなど、組織横断的な問題提起に繋がることもありますね。

また、ITの活用は、品質と生産性の向上に効果を発揮するので、現場のITツールの利用状況を集約して知見を共有しています。全社的な力として、さらなる業務標準化やAI活用にも繋がっていくことを期待しています。

QCDSが可視化するパートナー評価

品質監理部 奥山 敦史の写真

品質監理部 奥山:協業パートナーについては、新規取引を開始する際に実施する「適正審査」と、契約後に実施する「品質評価」の2点のアプローチをとっています。
適正審査は、財務、コンプライアンス、情報セキュリティなど多角的な観点で構成された当社のガイドラインやチェックシートに基づき実施します。現場を皮切りに、品質監理部、経理部、総務部、管理本部長と多段階の審査・承認を経てはじめて取引が可能となる仕組みです。

当社の「品質」の考え方を理解していただき、契約がスタートした後は品質評価を行います。現場のプロジェクトマネージャーが、プロジェクト毎にQCDSの軸で定量、定性の両側面からパートナーを評価します。
当社では、パートナーと継続しておつきあいすることも少なくないため、一般的に用いられるQuality(品質)、Cost(コスト)、Delivery(納期)にService Improvement(サービス改善)を独立した評価軸として追加し、全社的に情報を共有しています。

結果として、部門やプロジェクト毎の個別の評価に留まることなく、組織横断的にパートナーの評価が可視化され、全体の傾向を捉えることができています。

失敗から得た学びにより成長する組織へ

品質監理部 陶山 佳奈子の写真

品質監理部 陶山:メールの誤送信や作業ミスといったインシデントは、その発生自体を極限まで下げることに尽力しています。しかし人が仕事をする限りインシデントは発生するものと考えて、小さなことでも基準に該当するものであれば自己判断せず直ちに報告すること、そして発生の真因は何かを深掘りして再発防止に努めることを徹底しています。

品質保証委員会では、インシデントがアジェンダのひとつになっているのですが、一方通行な情報共有の場に留まることがないように、現場の本部長から再発防止策を提示していただくことを通じて、トップにあらためて自己認識していただく過程を大切にしています。
品質監理部は先導しますが、日々の業務で実践していただくのはサービスの担い手である現場の皆さんなので、現場の強い自覚と意思が重要だと考えています。
また、委員会で内容を共有することで横展開し、全社的に効果を発揮することも狙いのひとつです。

失敗から得られることがあると思うので、表面的な解決策に留まらず、真因を明らかにして、学びを次に活かすことが大切だと思います。
フィードバックしたものが、各本部の本部長と委員会メンバーの方が旗振り役となって、隅々まで周知徹底されていくという流れが組織として定着してきているなと感じています。

現場(幕張BPOセンター)

現場のストロングポイントは自発的な改善活動

幕張BPOセンター 志賀 堂央の写真幕張BPOセンター 志賀 堂央

幕張BPOセンター 志賀:私は幕張BPOセンターで運用リーダーをしています。
ISMS、PMS、QMS等のマネジメントシステムについては、年始に品質監理部から方針の通達があり、それを受けて、現場は具体的な目標設定を行い、四半期、月次、週次といった単位のミーティングの場で、メンバーに教育・共有しています。

私の部署では、お客様から紙文書をお預かりして情報を電子化する「ドキュメント電子化BPOサービス」を提供しているので、品質監理部から「機密情報の管理徹底」という方針が通達された場合、お客様の文書の管理に残存しているリスクが無いか、リスクをさらに低減するために何ができるか、センター長、営業、運用など関係者との対話を深めつつ、その対策を考えます。

お客様からお預かりする文書には、マイナンバー、運転免許証、保険証などの個人識別符号を含む情報や、健康診断結果などの要配慮情報が含まれているケースもあるため、紛失などが発生した際のインパクトの大きさをメンバーに十分に理解してもらい、日々の業務で注意を怠らないよう、意識の向上とルール遵守を徹底しています。

こうした管理は運用サイドだけで成立するものではなく一連のプロセスを通じて徹底する必要があります。そのため、商談の段階からヒアリングシートを用いて個人情報の有無を確認し、設計段階で漏れなく標準仕様書に落とし込み、標準作業手順書で現場のオペレーションに浸透させるといった流れで、営業・設計・運用・納品まで一貫した管理を実現しています。

品質面では、解像度、スキャン位置、ファイル名等、スキャンや入力したものが納品物として適合しているか判定するためにチェックリストに基づいた品質チェックを実施しています。
基本的に、作業オペレーター自身が行うシングルチェック(セルフチェック)、別人格のオペレーターによるダブルチェックの工程を踏み、納品前にはリーダーが全体の最終確認を行うことで、品質を担保しています。

幸いなことに、内部監査、外部監査において問題点の指摘は無く、グッドポイントをご評価いただいています。実務を担うオペレーター発案の改善アイデアもいくつも採用されており、センターが一丸となって改善を図っています。

これらはQMS活動の一部と言えますが、全社的な活動を表面的に捉えるのではなく、各部署でどうすべきかを自発的に考え、実践していくところが組織的な強みと言えるのかもしれません。

品質に対する意識の高まりが無数の改善提案を生み出す

品質を担保するために人材教育にも注力

幕張BPOセンター 志賀:人材教育にも力を入れています。
オペレーターの配属時には、教育担当者が受入時教育を行います。その後理解度チェックをして、一定スコア以下の方には再教育を実施しています。日々の業務オペレーションは標準手順書で学習します。
私も対象となるリーダー教育では業務を行う上で必要なスキルレベルを見える化し、定期的なチェックが行われます。リーダーのスキルレベルのばらつきは、品質がばらつく要因となるため、品質安定化・向上を目的に3か月ごとに実施されています。
私も配属された当初はわからないことだらけでしたが、品質監理部やセンター長に手厚くサポートしてもらい、ありがたいなと感じています。

近年では、標準手順の浸透を経て、オペレーターから細部の確認や改善の提案が数多くあがるようになり、納品物の品質に対する意識の高まりを実感しています。
センターには日々大量の文書が届くのですが、これらの文書の混在を避けるため、お客様単位でカゴ車(文書箱を搬送する台車)を分け、さらに業務プロセス毎に、スキャン前、スキャン中、スキャン後と明確に区分けしています。これもオペレーターから出た案を活かしています。
また、日本一のスキャニングサービスを目指して「スキャニングチャレンジ」という企画を実施しています。ファイルメーター(スキャンした紙を積み上げた高さ)で富士山の3,776mを目指そうという企画で、昨年スタートしました。
高い品質を提供できなければ、お客様から繰り返し選んでいただくことはできないので、富士山の頂上を目指すには生産性と品質の両方を上げる必要があります。そのために、みんなで改善提案を出し、高い精度で実績を積み上げていこうという取り組みです。
既にスカイツリーの高さを越えて、今年の年末には富士山5合目に到達しそうな勢いです。モチベーションアップの一因になってくれると嬉しいなと思います。

セキュアなファシリティ <見学可能>

幕張BPOセンター 志賀 堂央

幕張BPOセンター 志賀:幕張BPOセンターでは、ファシリティレベルでのセキュリティも強みです。
入退館管理はもちろん、自社の敷地内に専用のトラックヤードを持ち、監視カメラを設置して、案件単位の専用スペースを分割して関係者以外立ち入れないエリア別の管理もしています。

お客様の大切な文書をお預かりして作業を行なう為、スマホなど私物を居室内に持ち込まないようスタッフ私物管理ロッカーを使用したり、デスクの上に飲み物を置かないなどのルールを徹底しています。また隣で作業を行なうスタッフとの文書の混在を防ぐために個人単位で作業区画を区切るなどの対策も実施しています。

各自のPC端末も毎月セキュリティチェッカーによる安全管理を徹底しています。ネットワークに繋がっていないローカルPCはESETのアップロードを毎週実施したり、USBなど可搬媒体の利用台帳管理、倉庫の施錠管理など、対象に応じた管理を徹底しています。

幕張BPOセンターはご見学いただくことも可能です。
セキュリティや作業ルール等を確認していただく機会にもなっていますので、ご発注前にぜひお問い合わせのうえ、ご来社いただければと思います。

品質監理部

ビジネスの成長に併せてリスクを防ぐ仕組みを整え続け安全安心なBPOを実現する

品質監理部 部長 隈田原 盛税の写真

品質監理部 隈田原部長:国内共通の課題として、働き手の不足があり、人材の獲得競争が年々激化しているなか、「人材採用」「パートナー連携」「IT活用」という3点は当社のビジネス成長において大切な要素です。
一方で品質監理部の視点からは、自社の人材やパートナー企業は重要なリソースですが人が増えるとリスクも増えると考えています。
報道にもあるような情報漏洩や流出の事故や事件は、往々にして個人のミスや出来心で起きることが多いため、当社ではITやマネジメントシステムにより、ルール、手順、作業環境などを整備し、リスクを防ぐ仕組みを整え続けていくことを重視しています。
穴があるから出来心が生まれるということもあるでしょうから、教育・啓発はもちろんですが、環境整備を通じて穴をなくしていくことが、結果としてお客様にとっても、働き手にとっても、安全・安心なBPOと言えるのではないでしょうか。

お客様と働き手のベストバディを目指して

BPOサービスの品質向上・現場への浸透を目指し日々尽力中

品質監理部 隈田原部長:BPOサービス事業は市場全体もそうですが、キヤノンマーケティングジャパングループとしても成長しておりまして、当社も人が増え大きくなっています。
会社規模、ビジネスが大きくなる中で、マネジメントもより洗練されていく必要があります。

私が着任して5年になりますが、さまざまなマネジメントシステムの要求事項やルールなどを、いかに現場に浸透・定着させていくかということに意識的に取り組んできました。
現場が「言われたのでやっている」という状態ではなく、この取り組みを通じてサービスレベルが上がり、胸を張って当社のサービスは安全安心ですと言い続けられる取り組みにしていきたいと考えています。
5年前と比較すると、現在では意識・知識・組織の各観点で現場力が向上し、自分たちのものにしていこうという動きも見えて、浸透してきているなと実感しています。

社長の杉中は当社のありたい姿として「ベストバディ」、つまり良い仲間でありたいということを提唱しています。これには2つの要素があって、1つめは「働く人のベストバディ」社員、契約社員、パートナーのみなさんに選ばれる会社となり、より働きやすくなる組織を目指します。もう1つは「BPR・HRのベストバディ」これはお客様の業務可視化や効率化などの提供価値の水準を上げ、お客様から継続的に選んでいただく状態を目指します。その一環としてCS調査も実施しています。お客様からいただく評価は、現場のモチベーションになるとともに、サービス向上や課題解決など、次に繋がる貴重なインプットになっています。
当社がBPOサービスを通じて、お客さまと働き手にとってより一層の「ベストバディ」になれるよう、今後も品質向上に努めてまいります。

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