サービス立ち上げからのビジネスパートナーは事業成長を支えるコンタクトセンター

導入企業 キヤノンマーケティングジャパン株式会社 関根氏、柳氏と、キヤノンビズアテンダ株式会社 橋本の写真
橋本 伸一の写真

キヤノンビズアテンダ株式会社
BPOサービス第二本部
BPOサービス一部 部長

橋本 伸一

関根 徹 氏の写真

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
セキュリティソリューション企画部
セキュリティソリューション企画第四課 課長

関根 徹 氏

柳 啓士郎 氏の写真

キヤノンマーケティングジャパン株式会社
セキュリティソリューション企画部
セキュリティソリューション企画第四課 課長代理

柳 啓士郎 氏

会社名
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
業務概要
営業支援、業務処理、キッティング、アフターサポート等
提供サービス名
コンタクトセンター、バックオフィス業務、営業サポート
体制
44名
運用期間
15年以上

中小オフィス向けIT支援サービス「HOME」

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 関根 徹氏の写真

私たちは、セキュリティソリューション企画本部に所属しており、その名の通りセキュリティソリューションの企画を担当しています。
セキュリティソリューション企画第四課では「HOME」という中小オフィス向けのIT支援サービス、セキュリティプロダクトのFortiGateやSubGate、バックアップソリューションのBarracudaなどを取り扱っており、課員の12名のうち、8名がHOMEに携わっています。

HOMEはシステム管理者の確保が難しい「中小オフィスのIT支援」をコンセプトとして2009年12月にサービスをリリースしました。
リリース当初は、統合脅威管理機器(UTM)を提供するネットワークセキュリティサービスと、オフィスの情報共有を目的としたグループウェアサービスという2つのサービスからスタートし、その後はステークホルダーの皆様の声を伺いながら、新サービスの追加や、メニュー刷新、価格改定などさまざまな企画を立案・反映してサービスの充実を図ってきました。
2013年頃から販売が伸びはじめ、月間数百本のご契約をいただくようになり、現在では6万件強のお客様にサービスを提供しています。

中小オフィスのお客様がご自身でUTMを購入した場合、すべての設定を適切に行うのは難しいため、あらかじめキヤノンのノウハウが詰まった「キヤノンおすすめ設定」のUTMを出荷し、繋ぐだけである程度のセキュリティが担保できるという状態にしています。個別の設定変更も電話一本でHOMEコンタクトセンターが担当するため、お客様の負担も軽減されています。

コールも業務も担うコンタクトセンターが事業成長をサポート

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 柳 啓士郎氏の写真

提供サービスがグループウェアだけであれば「申込」「設定」「サポート」の対応ができれば良いので一般的なコンタクトセンターでも対応可能でしたが、統合脅威管理機器(UTM)のサービスを提供するためには、機器の「導入設定」「出荷・返却管理」「稼働監視」など問い合わせだけではない様々な業務を担ってもらえるセンターが必要でした。さらにHOME全体という視点で見れば「契約」や「課金」まわりの業務処理も必要となります。

コール(問い合わせ対応)、BPO(業務処理)の双方で設計・運用実績があり、HOMEというサービスを支える幅広い業務をワンストップで対応してくれるベンダーを探していたのですが、当時、このような複合的な業務を実施している委託先はなく、キヤノンビズアテンダさんに相談したところ、HOMEというサービスを一緒になってゼロから作り上げていくことを快諾いただきました。

2009年6月頃から参画いただき、同年12月のリリースに向けて、「HOMEのサービスデリバリのプロセス」と「HOMEコンタクトセンターのプロセス」を調整しながら準備を進めました。
「お客様と営業が楽になるためにはどうすべきか」という軸に沿って、リモートで実施可能な支援内容を協議して、機能面、技術面、契約申込処理といった支援領域を定め、業務要件定義書、プロセスマップ、業務概略シート、フローチャート、手順書等、さまざまな成果物としてドキュメントを作成しました。

振り返ってみれば、サービス立ち上げ当初、HOMEの企画担当はわずか3名という状況で多忙を極めていました。
プライシングや渉外等も行う商品設計担当、コンタクトセンターも含めた運営設計担当、社内営業や社外の販売パートナーの皆様に販売していただくための販売推進担当が各1名という体制であるにもかかわらず、まだ生まれたての新サービスだったHOMEには日々膨大な問い合わせが発生していました。

そのような状況で、HOMEコンタクトセンターは、お客様からの問い合わせ対応だけでなく、販売に携わるすべてのステークホルダーからの問い合わせに対応してくれました。
社外の販売パートナーの皆様や社内営業から発生する「機能」から「売り方」までの幅広い問い合わせに対応し、スムーズな営業活動をサポートしてくれたのは本当に大きかったですね。企画3名だけでは、あの量は間違いなくまわらなかったと思います。

弊社の販売パートナーの皆様には、複合機、プリンター、大型印刷機など非常に多くの商品・サービスを取り扱っていただいていますが、UTMを取り扱うのは初めてというパートナーの方もいらっしゃいましたので、わかりやすい商品仕立てをするように心掛けていました。さらに、HOMEコンタクトセンターでは、機器のキッティングを担い、商談支援や問い合わせ対応を通じて、お客様やパートナーの皆様に多面的なサポートを行いました。

今振り返っても「HOMEコンタクトセンターがサービスの中心である」というユニークな設計思想を最初に定義したことは大きかったですね。
これは費用の考え方にも反映されていて、一般的にはコンタクトセンターの費用は経費で外だしすることが多いのですが、HOMEコンタクトセンターは、はじめから費用をサービスに含めて、様々なサービスをセンターで提供していこうというコンセプトでした。
一般的には、想定問い合わせ量から必要なセンター運営経費をあらかじめ算出して固定で支払うことが多いため、センター側としては売れても売れなくても関係なく、問い合わせは来ない方が良いともなり兼ねない訳ですが、HOMEコンタクトセンターは費用をサービスの中に含めているので、お互い売れたら売れただけ「良い」訳です。これが、同じ方向を見て一緒に売っていこう、成長しようという共通のスタンスで、一枚岩となって進められた要因のひとつだったのではないかと思います。
他ではあまり見ない立ち上げ方だったと思いますし、苦しいところを良くやってもらったと思います。

センターはサービスの最前線。運用視点から生まれるアイデア

業務運用視点でのアイデア出しがユニーク

販売数の増加に伴い、業務プロセスやマニュアルの再整備も進めてきました。
例えばサービスラインナップを拡充する際、サービスプロセス自体は私たちが主体的に起案しますが、キヤノンビズアテンダさんからは「このサービスを提供するためには、この業務が必要になる」という業務運用視点でアイデアを出していただいて、プランを一緒に考えてもらえるところもユニークでしたね。

プロセスやマニュアルの整備や更新を進める一方で、現場からはルールから逸脱したイレギュラーな要求が挙がってくることがあります。要求に対して一律でNGを出すという判断もあるとは思いますが、私たちは現場に寄り添った対応を実現したいと考えています。こうした意思決定を可能にしているのは、現場の状況に深い理解があり、お客様視点に立って考えるHOMEコンタクトセンターがあるからこそ、と言えますね。

こうしたイレギュラー対応について、一時的な対応のままで終わらせずに、スタンダード化して安定したサービスとして提供できる状態にすることにも取り組んでいます。

日頃から最前線で対応してもらっているので、企画側からは思いつかないような、お客様、パートナーの声に基づく「こうした方が良いですよ」という提案もありますね。
お客様向けの案内などにも目を通してもらい、お客様視点でどんな質問がありそうか想定問答集を準備してもらったり、どのような案内がわかりやすいかなどのアイデアも出していただいています。

HOMEコンタクトセンターは、細かく複雑で幅も広いサービスプロセスを、社内外含めて面で担当し、私たち企画と同じ視点に立って取り組んでもらっています。
仮に私たちが別のベンダーに委託しようと思っても、すべての要件を伝えることも難しいですし、伝えたとしても同様の対応をしていただくことは難しいと思いますね。

IT改修を伴う業務改善が日々実行されている

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 柳 啓士郎氏の写真

HOMEコンタクトセンターで利用している業務システムの運用・改修もキヤノンビズアテンダさんが担当しているので、データベースから特定の情報を抽出するなどのオーダーにも柔軟に応えてくれていますし、センターのオペレーターの仕事がやりやすくなるようなシステム改修が随時行われています。

これは結構重要で、契約数が増えて処理量が増加すると「従来の仕組みでは業務がまわらない」となるところですが、「IT改修を伴う業務改善が日々実行されている」ことで、生産性を向上させつつ安定した業務運用を実現しています。ここは本当に強みだと思いますね。

また、新商品を出す際に、システム側も変更対応が必要となりますが、こちらから細かい指定を出さなくても、リリース時期と商品を伝えれば、業務管理上必要な項目についてヒアリングがあり、短期間で変更対応してくれています。
業務量は大量ですが、業務品質は年々向上しており、現在インシデントはありません。インシデントがないため、ヒヤリハットを週次でレポーティングしてもらっています。

他にも、お客様対応の音声をモニタリングしたり、業務処理にRPAを適用したり、HDIの国際認定も活きているのだと思いますが、自らセンターをブラッシュアップしてくれていると感じています。
他の事業のコンタクトセンター・コールセンターでは企画が主体となって、システムはこれを使ってほしいなど、細かい項目まで提案しますが、キヤノンビズアテンダさんは、主体的かつ柔軟に動いていただいているので助かっていますね。

また、日常のサポートでもITスキルが活かされていると感じています。
UTMのサポートでは、リモート接続してお客様の環境を把握しながら、リアルタイムで問題解決することが求められるため、難易度は高いです。
私たちからは、センター宛にUTMの仕様や機能など機器情報はお渡ししていますが、実際のサポートでは、お客様によって千差万別なネットワーク環境や設置機器があり、電話を受けた状態でそれを調べながら短時間で解決するスキルはすごいなと思います。
こうしたスキルを持つ人材をアサインいただいているのは大きいですね。この辺りもお客様やパートナー様に信頼していただいている理由のひとつだと思います。

UTMならメーカー、クラウドサービスなら開発元と定期ミーティングを開催しているのですが、実はここにもHOMEコンタクトセンターに参画していただいています。
週次定例にHOMEコンタクトセンターのチームリーダーが入って、直接現場の声をフィードバックしているので、問題解決にはかなりスピード感がありますね。

パートナーからの高評価が販売を加速

キヤノンビズアテンダさんのサービスを利用し続けている理由は幾つもありますが、パートナーの皆様からの評価が高いことは大きいですね。HOMEは多くの販売店様に取り扱っていただいており、その評価が売上を左右していると言っても過言ではありません。HOMEコンタクトセンターのサポートが良いから、売って安心のサービス、という声を多数いただいています。

例えばパートナーの皆様がお客様先に訪問した際、コンタクトセンターから電話やリモート接続でUTM機器やグループウェアの機能説明を実施したり、契約時には書類の必要項目の入力支援等も実施しています。
「これだけ説明できるコンタクトセンターがあるので安心してください」と言えることが、サポートの充実度をリアルにお伝えできる訴求点のひとつになっています。

お客さまからも、親切に教えてくれてわかりやすかったという声や、トラブルシューティングについての感謝の声、HOMEコンタクトセンターに聞けば何でも応えてくれるというお声もいただいています。
一般にコールセンター・コンタクトセンターは繋がらないことも少なくないと思いますが、HOMEコンタクトセンターは95%の受電率を維持しており、折り返しもかなり速いです。一般的なコールセンターではテクニカル系の問い合わせは折り返しとなることが多いのですが、HOMEコンタクトセンターでは電話がつながり、折り返しも速いうえに、折り返し前に下調べして解決策を持った状態で連絡するため、結果として短いスパンで解決することができています。

エンゲージメント向上ループの実現へ

弊社では、ビジョン実現に向けたプロセスとして、従業員満足、人材の高度化、顧客満足という「エンゲージメント向上ループ」を確立することの重要性が語られるのですが、HOMEサービスでもこれを実現したいと考えています。

そのためには顧客満足の維持・向上とあわせて、HOMEコンタクトセンターのみなさんの満足度を高めていくことが大切です。例えば、事業継続性と働きやすさ双方の視点から検討し、現在はスタッフの自宅からでもサポートサービスの提供が可能となっています。
日々の仕事を通じて、やりがいや達成感を感じていただき、楽しいセンターであり続けてほしいという思いがあるので、そのための色々な仕組みをキヤノンビズアテンダさんと一緒になって考えていきたいと思います。

これからも成長を続けるHOME

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 関根 徹氏の写真

サイバー攻撃対策は企業の継続的な課題となっていますが、私たちはHOMEの提供を通じて、お客様・パートナーの皆様の「セキュリティに対する関心の高さ」を強く実感しています。
こうしたニーズにお応えできるよう、HOMEは、これからもセキュリティソリューションの拡充を図り、各種ITサービスを拡充するとともに、さらにコンタクトセンターを充実させることで、サービス品質を落とさず、より満足度の高いサービスをご利用いただけるよう努めてまいります。

会社名
キヤノンマーケティングジャパン株式会社
本社所在地
東京都港区港南2-16-6
事業内容
キヤノン製品および関連ソリューションの国内マーケティング
ウェブサイト
https://canon.jp/

※本事例の内容は取材当時のものです。

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