業務可視化・改善コンサルタント

業務可視化・改善コンサルタント 山田 憲苗の写真

効果が出るまで真摯に伴走するコンサルティング

山田 憲苗の写真

BPOサービス第二本部 
BPOコンサルティング部 
プロセスエンジニアリング課 課長

山田 憲苗

Q. 業務可視化・改善コンサルタントについて教えてください

業務可視化・改善コンサルタントは、業務運用のプロであるBPOベンダーならではの視点で、お客様の業務を可視化し、課題を抽出して深堀り、改善提案を行います。
必要であれば、ソリューションの導入や改善成果を出すための伴走までスコープに含め、ご支援しています。

私たちのコンサルティングは、「業務の可視化・改善」の立場を貫いており、お客様からもその点でご評価いただいています。業務を上手く廻すためにどうすべきか、という点にフォーカスしている実践系のコンサルということですね。
当社では、この役割を持った人材をPE(プロセスエンジニア)と呼んでいます。

Q. お客様がお持ちの課題にはどのようなものがありますか?

業務の生産性向上、ブラックボックス解消、残業時間の削減、インシデント防止など、多様な課題があります。
最近増えているのは事務企画など業務改善をミッションに持つ部門や、改善対象となるターゲット部門のマネジメントラインからのご相談で、「業務の実態がわからず、効果的な打ち手が検討できないので、可視化から支援を頼みたい」といったケースです。

たたき上げで管理職になるケースばかりではないので、実務未経験のマネジメント層も増えているなという印象です。
一方で、テーマ起点で依頼をいただくこともあります。
最近では「働き方改革を実現しなければならない」「業務のオートメーションの可能性を探りたい」といった内容が多く、そのままでは抽象度が高いため、ゴールやターゲットの設定からサポートしています。

お客様がお持ちの課題について語る山田 憲苗の写真

Q. コンサルティングのステップは?

5つのステップがあります。最初のステップは、事前知識の習得です。
マネジメント層へのインタビューとドキュメント(体制図、過去のインシデント、年間の残業時間、現場マニュアル、過去の勉強会資料など)により、お客様社内独自の用語や、体制、業務の全体像などを把握します。
短期間で可視化・課題抽出・改善施策立案まで完遂するので、後のステップをスムーズに行うためにも、最初に前提を合わせておくことが大切です。

2つめのステップでは、現場ヒアリングや業務観察などを通じて、業務一覧を作成し、工数を可視化します。
お客様自身で業務一覧を作成されているケースもありますが、同じプロセスが重複していたり、発生頻度の低いものが通常のものと同じように並んでいたりと、課題抽出や改善提案の材料としては活用し辛い状態であることが多いため、私たちの視点で改めてプロセスをカットし、業務一覧を作成します。
俯瞰して理解しやすくなることを考慮し、概ねA3用紙で2枚程度に収まるようにアウトプットしています。

3つめのステップで、業務フローを作成します。フローチャート上には課題もプロットします。こうすることで、グラフィカルなアウトプット上で、プロセスの把握と、課題認識を同時に行うことができます。
フローチャートには多くの情報が入っているので、一目で理解できることが利点です。お客様からは、コンサルティングが完了した後もシステムの改修やリプレース、新人研修、業務改善計画の検討など、様々な用途に活用していると伺っています。

4つめのステップは、改善施策の立案です。
ここまでで可視化した情報を統合して、改善施策を立案します。
改善施策は当社内でのナレッジに照らしながら、複数のコンサルタントの視点を入れて検討しています。効果が見込める場合、クラウド、自動化などのITソリューションを絡めたご提案を行うケースもあります。

最後のステップで、採択した改善施策について、お客様の中期経営計画や、業務繁忙状況などを考慮して実行計画を立案します。ご要望に応じてPoCや運用のご支援も行っています。

Q. 最近のコンサルティング事例は?

最近の事例の中から、2点ほどご紹介します。
まずは、金融(保険)のお客様で、20名程度の収納保全業務をスコープとした業務可視化・改善プロジェクトのケースです。お客様の課題感は「10年前から業務オペレーションが大きく変わっておらず改善したい」というもので、業務可視化、課題抽出、改善施策立案でサポートさせて頂いた結果、多くの課題が見つかりました。
一例を挙げると、システム連携が上手くできていないため、現場ではEUCツールが乱立してメンテナンスが難しくなっていました。メンテナンス可能な人材が属人化しているうえに、クリティカルな帳票生成プロセスに組み込まれているのでEUCを外すこともできないという状態です。
こうした業務インフラの不整備は、やむを得ない事象として長い間現場内に埋もれていましたが、今回のご支援を通じて明らかになり、アウトプットは投資審議の材料として活用されました。現在は、事務企画セクションと一緒にシステム改修プランを立案中です。

次に、製造業のお客様の管理部門改革プロジェクトでは、人事・経理・総務をスコープに、月の半分程度という高頻度で訪問し、ヒアリングやミーティングに時間を割いてお客様の悩みに寄り添いました。
業務可視化による業務実態把握、課題抽出、改善策立案を経て、ITソリューション導入まで行った結果、RPAによる自動化、BPOの導入、クラウドベースの請求書発行送付ツールの導入などにより30%の工数削減を実現することができました。

Q. ソリューション提案のポイントは?

システムやツールの選定・提案時には、幾つかの視点を持っています。
「自社でトライアルしUIや効果を確認する」 「業務をミスなく効率的に廻すことに貢献できる」という2点は必須条件です。部門での導入が多いため、費用も「値ごろ感があるもの」が求められますし、「ノンコーディングで現場サイドで管理しやすい」というのも選定基準にしています。結果として、自社製品だけではなくマルチベンダーでフラットな提案になっています。
ソリューションを導入すると改善効果も大きくなるので、RPA、クラウド請求書作成発行、経費精算、Kintone、チャットボット、BIなど対象も徐々に拡がっています。
提案することに留まらずPoCの支援まで行う点もお客様から評価いただいています。

やりがいとなる点は?

この仕事には、数多くのやりがいがありますね。
お客様が抱えていた問題を解決し、現場が楽になることで、喜びをダイレクトに感じることができたり、お客様の社内でプロジェクトが横展開したり、別のお客様をご紹介いただいたり。こうした成功体験を、部門のメンバーにも体験してもらいたいと思っています。
幸いなことに、コンサルティング実績が蓄積し、ノウハウとして活用できる状態にあるので、今後は過去のナレッジを活かしアウトプットの品質をさらに高めていきます。メンバーには日頃からアンテナを高く立て、新しいテクノロジーに触れることを推奨しているので提案ソリューションの幅や深さも増していきますよ。

業務可視化・改善コンサルタントとして働く山田 憲苗の写真

Q. 業務可視化・改善コンサルティングの強みとは?

3つに絞ってお伝えします。
最大の強み、差別化ポイントは、BPOベンダーのコンサルタントが提供するコンサルティングであることです。BPOベンダーは多様な業界からアウトソーシングという形で業務の運用を請け負います。社内には、こうした業務群について知識だけでなく実際の運用実績があります。受託した数だけ業務プロセスがありますし、大小さまざまな運用上の改善も行われています。コンサルティング部門内でも独自にナレッジを蓄積しており、これが実践的なコンサルティングを実現する源泉になっています。

2点目に言えるのは、可視化のアプローチと質ですね。
BPMの国際認定であるOCEBの知識をベースとして、実際のコンサルティングにおいては、お客様とプロジェクトのゴールをCSF(主要成功要因)として合致させることを重視しています。ゴールが決まれば最適なアプローチも定まります。
可視化したプロセスは、定量・定性の各属性を含み、5段階の成熟度で評価され、課題要素を抽出していきます。業務属性の一例を挙げると、業務ボリューム(処理量)、発生頻度などのベースとなるものから、標準処理時間、確認・承認リードタイム、残業時間、例外処理発生率などがあります。

最後の3点目は、お客様と伴走するコンサルティングであることです。
可視化を終え、改善施策立案までで支援を終えるお客様もいらっしゃいますが、ご要望があれば、その後の伴走を継続します。ITソリューション導入を伴うものであればPoCを実施、結果が出るまで伴走し、成果が物足りない場合や別の施策が必要であればソリューション変更も含めて検討することもあります。
ソリューションが不要なケースでは、お客様自身が改善プランを実行するための実行支援も行っています。
有効な打ち手が仕上がっても、実行・徹底がなされなければ効果は出ません。「ルール改訂がイントラで周知されても現場の運用で徹底されないので、BPOベンダー・コンサルタントという第三者的な立場から現場に向けて実行支援をかけて欲しい」というご要望にも対応しています。

「現場で問題があり、なんとか解決したい」というお話があれば、是非一度ご相談していただけたらと思います。

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